「24時間」
僕は"水を運んだ少年"として院内で有名になってしまった。平日はお笑い専門学校の教室を間借りして義務教育を受けていたのに、急な呼び出しで休む日も多くなった。草が非常に稀な病気であるとはいえ、毎年全国で100名近い患者が発症してるという。介護者の需要は高まるばかりだった。
「ねんどくん、これ。」
「え?」
「携帯型ナースコール。知ってるよね?」
「あ、はい…。」
「これが鳴ったら24時間、どんな時も患者の元に駆け付けて。」
「え?24時間…ですか?」
「うん。24時間。どんな時も。」
「えぇ…」
「今までは比較的軽症の患者さんのお世話をしてきたけど、これからはプロの介護者として死に直結する重篤な患者さんのお世話をすることになります。誰かを救うには誰かが起きてないといけないの。」
「え?でも…」
「もちろんねんどくん以外の生徒にも手伝ってもらって、なるべく負担を減らしてあげたいんけど、他の子で水運びの実験をやった結果、いずれも発作が始まっちゃってね…」
「え?」
「今、集中治療室に入れるのは、ねんどくんしかいないの。」
「あ、はい…」
「だから暫くは規則正しい生活を諦めて、隙があったら眠るよう心掛けてね♪」
草、生える シンジくん @h_shinji_
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