百合と植物と、そしてディストピア

 海底にある水中都市。そこに住むサクラと言う少女を軸として、甘くそして残酷な物語となります。

 閉鎖された都市の中の価値観は私達の元とは異なり、そこで生まれる人の想いは良くも悪くも『人間』めいています。それはこの世界において圧倒的な能力を持つ主人公であっても――否、能力を持つからこそ生まれる苦悩も含めてです。 
 ユートピアの逆がディストピアなれど、そこには絶望しかないわけではありません。そこに住む人たちの、ディストピアワールドならではの強さと弱さが、この物語の素晴らしいところなのではないでしょうか。

 あといい百合頂きました。

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