4月30日 晴れ

 予想通りだった。

 砂嵐が収まった後に周囲を探索すると、遺跡の頭が覗いていたのだ。


 周囲の砂を掘り、ハンマーで砕いて中へと入った。

 どうやら手付かずの遺跡らしい。

 入り口付近に生物の気配はなかった。

 大抵、生物が巣を作る場合は、遺跡の入り口付近に作ることが多い。

 入ってくる他の生物を捕食するためだ。


 もっとも、奥に大量の食料がある場合や、そもそも食料を必要としない生物の場合、引きこもって出てこないこともある。

 油断は禁物だ。


 そして、この遺跡、かなり深い所まで存在しているようだ。

 今まで潜ってきた遺跡は、大抵のものが1部屋か2部屋、大きくても5~6部屋程度だった。

 しかし、この遺跡は半日で探索しきれないほどたくさんの部屋と通路が存在していた。


 こうした遺跡は危険だ。

 深い遺跡は、地下深くの空洞に通じていると言われている。

 そして、空洞に住む生物は、地上にいる生物の何百倍も危険だ。


 祖父が死んだのも、深い遺跡だと聞いた。

 食料が大量にある遺跡で、祖父は父や母たちのために食料を取りに行き、帰らなくなった。

 空洞に落ちたのか、あるいは食料を奪いにきた生物に食われたのか。

 父も死体は見ていないという。

 あるいはどこかで生きているのかもしれないが、可能性は低いだろう。


 ひとまず、今日の所は入り口付近の探索のみとした。

 今のところ、探索に使えそうなパイプが見つかった。

 先日の塚アリとの戦いで杖が折れてしまったため、嬉しい発見だった。

 塚アリの足は杖としてはさほど使いやすくないのだ。

 また、この端末と似たようなものがいくつか落ちていたが、全て電源が落ちていた。


 この端末の電源は、いつまで持つのだろうか……。

 明日は、もう少し深い所まで潜ってみよう。

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荒廃日誌 如意棒 @okatyon3712

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