最終問題
試召戦争の感想を簡潔に述べなさい。
『とても貴重な経験ができました。テストの点数だけではなく、クラスメイトとの信頼と協力があってこそ試召戦争の勝利が得られると考えています』
教師のコメント
『今回は引き分けでしたが、勝利や敗北よりも貴重な体験が出来たと思います。次はきっと勝てるでしょう。慢心せず、励んでください』
『悔しかった。嬉しかった。ホモは死ね』
教師のコメント
『最後の一文は先生が消しておきます』
『女は怖い』
教師のコメント
『あなたにも、いつか素晴らしい女性が訪れますよ』
――――
「今回は大変でしたわね」
「……一時はどうなるかと思ってたです」
「Aクラスが勝って、わたくしたちの秘密がバレてしまったかと思うと寒気が起きますわ……」
「……冷や冷やしたです」
「記憶が戻ったら、記憶喪失の原因がわたくしたちであることがバレてしまいますもの」
「……顔面パンチで記憶を吹っ飛ばしたれいかの姿は凄かったです」
「あら? 記憶が飛ばさせたのは、裕貴さんの頭を何度も壁に叩きつけた紫緒里ではなくて?」
「……ふふっ」
「うふふふ……。でも、あのクリスマス・イヴの日、どうして裕貴さんは……その……男同士の恋愛ゲームなんかを持っていましたの?」
「……それはクズのものです」
「一郎さんが? あの方も男色ですの?」
「……ゆうきをそっちの道に走らせるためです」
「今後、一郎さんには要注意ですわ」
「……あと、いけめんも」
「そういえば、記憶を失う前の裕貴さんって、どういう人でしたの? わたくし、記憶を失う前の裕貴さんとは関わりが少なくて……」
「……脳味噌が壊死してるほどのバカです」
「今は、多少くらい働いていますわね」
「……でも」
「でも?」
「……優しいところは何も変わってないです」
「ふふっ、良かった。わたくしの知っている裕貴さんですわね」
「……れいか、しおりは負けないです」
「ええ、わたくしだって負けませんわよ。わたくしとあなたは共犯であり、親友であり――」
「……ライバルです」
「面白い関係ですわね」
「……人間関係ってそんなもんです」
「ですけど、わたくしたちには、ひとつ解決しなければならない案件がありますわ」
「……同意です。まずは、あの目障りな――治安維持生徒会と校則を叩き潰すです」
「今回、坂本先輩にはお力添えをしてもらいましたが、それはそれですわね。恋のためなら――」
「……障害はぶっ潰す」
「あ……そろそろ特売の時間ですわ。卵が1パック、25円ですの。ご一緒にどうです?」
「……しおりは、家に帰るです」
「わかりましたわ。それでは、また明日」
「……またです」
バカとテストと召喚獣SS ~バカと天才は紙一重・完~
バカと天才は紙一重 南かりょう @karyo28
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