鉄城下の麒麟児

むくくん

第1話 鉄城下の日記1

2月3日


ここは鉄の下だ。

それは当然の話で、なぜならここは煩雑な造りの地下だからだ。

生まれたころから鉄の下で暮らしてきた。

太陽など見たこともない。

自分たちが生まれる前、さらに俺の母さんが生まれる前に日本の東京は分断されてしまった。

地上の鉄城と地下の鉄城下に。

俺たちは税金もまともに納められない貧民層だったため、地下暮らしを余儀なくされ、今は地上に戻るすべなど無いと言ってもいい。

だけれどあの日から、アイツに会ってから変わった。

希望を持つことができた。

RVBの大会に出て、地上に出る権利を得る。

自分にそんなことができるとは思ってもいなかった。

だが、今日からは違う。

それで日記をつけることにした。

これからは、ずっと残しておきたいほどの日々になると思うから。

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