第2話「初恋」
あなたを好きになったのは
走る姿がかっこよかったから
風のように速く走って
前のランナーを一生懸命追いかけて
第2コーナー曲がったところで
あなたは一番前を走っていた子に追いついた
そしてその子を見ることもなく
さっさと追い抜いていった
そして 私の心も風のようにさらっていった
走る背中は私には速すぎて追い付けないけど
あなたに近づきたかったから
気にするように優秀に目立ってみせた
けれど目立てば目立つほどあなたは遠くなる
卒業式の時だって隣だったのに
私はまともに顔も見れないままに別れた
進路が違うことなんてわかっていたのに
なんでだろう 涙さえ出てこなかった
好きだって言えない私は恥ずかしがりで
結局あなたの心つかむことがはできなかった
でも あなたが一番好きだったということは
今でも忘れない
ありがとう 大好きだったあなた
そして 私以外の可愛い子と
どこかで幸せになってほしい
誰かに届けることのない、詩を残す 緋村柚輝 @himurayuzuki
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