誰かに届けることのない、詩を残す

緋村柚輝

第1話「別れに」

さっきまでものがあふれた空間

今はがらんとしている


歌声も笑い声も失われて

私が存在した跡も失われた


私は問う

私の存在をあの人たちは忘れないだろうか

幼いあの人たちだから、これから起こる

すべての楽しき思い出に上書きされて

きっとすっかりわすれてしまうだろう


それでも、私だけは忘れないでおこう

共に過ごした日々を

あの人たちの輝きに満ちた目を

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る