冒頭は引き込まれます

感想となってしまうので、新着レビューに載るのが気がひけて、後付けレビューとさせていただきました。

冒頭はとても良かったです。特に右腕の動かない人形の描写考察などはかなり惹かれました。
ところが2話以降、なぜか視点主が突然変わったような印象が否めないのです。もしかしてこれは1話だった話を、後付けで大きく膨らませたのではないだろうかと、そんなうがった考えまで出てしまいました。
題材は良いと思います。けれど5W1Hがとても曖昧な印象を受けました。

When(いつ)
冒頭のシーンより2話以降ずいぶん時間が経っているようにも思えますが、はっきりしません。
Where(どこで)
最初の劇場と、離れの劇場が同じなのか別なのかも謎のまま。
Who(誰が)
同行した彼女が誰なのか、駐車場で会った人物が誰なのか、赤い人形(傀儡師)って結局なんなのかが良く分からない。
What(何を)
途中途中なにがどうなっているのかが、会話に隠れた描写に戸惑うことが多かったです。ナイフが最後までちょっと不明でした。
Why(なぜ)
読んでいる時の最大の難関はこれでした。全員が全員、なにをカタルシスにしているのかがはっきりつかめませんでした。
How(どうやって)
キーアイテムとしてのノートを(彼女と老人が)どこでどうやって手に入れたのか、分かるような分からないような。

大筋はたぶん作者様の中にあると思います。ただその大筋の飾り付けが少々弱いかなと感じました。もしかしたらラストのオチを隠そうという意識が大きすぎて、逆にその場その場の取捨選択に少々問題がでてしまったのでは、と感じています。

上記の5W1Hの三つないし四つをもう少し作り込めば、かなり面白い作品になるのではないかと思います。文章はとても読み易く、一話目は惹きつける実力もお有りだろうと感じました。

少々キツい感想になってしまったので、もし気になされるようでしたら、削除してください。私とはまた違った印象を持つ読者が現れないとは限りませんので、私の言葉に惑わされる可能性もありますし。

ということで、長々と失礼しました。