9月25日 世界プロレス協会さんを見てきたよ!の巻。

9月25日はプロレス興行の同時多発デー。

最近じゃ珍しくもないどころか、休日に試合のない団体は心配されてもおかしくないといった有様。

この日は、あのジミー鈴木のDSWも新木場で旗揚げ戦。

さぞかし「こんがり」したのではないかと思うけれど、私は北区・王子で行われた世界プロレス協会さんの興行へ。

石橋葵選手の復帰戦でもあり、私が応援している松山勘十郎選手の試合もあるのだ。


元はと言えば東京滞在予定の25日に、世界プロレス協会さんへ松山選手の参戦が決まり、それなら!とチケットを予約した次第。

同行の友人はプロレス初体験。

いや-初めてにしてはマニアックですな。素晴らしい。


会場の王子BASEMENT MONSTERはライヴハウスかイベントホールといった趣き。

音響はとてもいい。ミラーボールまである。


物販で売っていた手作りのお菓子…気になる。

何でも売るのはインディーらしくて好きだ。


第1試合。

マザー・フェイス選手&梶原ひかり選手

VS

ブタ・モンゴル選手&富豪2夢路選手


ブタ・モンゴルさんに選手と付けるべきか迷う程の程度の低さ。

なんだろうなー、中学んときの同じクラスの根暗なデブに乱暴者がプロレス技掛けようとしてるみたいだった。

マザー・フェイス選手は怪奇派ながらよく喋る。

特にブタ・モンゴルさんには辛辣。

「何を習ってんだ!ああもう腹立つなあ!!」

…それは見ているこっちのセリフです。


梶原ひかり選手は新人さんのご様子。

しかし必死で食らいつき、負けねえぞ!とアピール。

最後は夢路選手のバックドロップで戦意喪失であったが、頑張りは伝わった。

ブタ・モンゴルさんは早くどうにかしないと本人より先に対戦相手が事故に遭いそう。ハラハラ要注意、とサブタイトルの付いた試合ではあったが…。それでは済まない。絶対に。


第2試合。

神田カレーマスク選手

VS

ヤマダマンポンド選手

BKF次期王座挑戦者決定戦とのこと。

神田カレーマスク選手は如何にも軽量級のマスクマン!といった感じ。

カレーを食べる仕草をしてみたり、試合中も混ぜるぞ!混ぜるぞ!と叫ぶので期待が膨らむ。

ヤマダマンポンド選手はガタイのいい、和風のバディ・ローズといった雰囲気。

試合はインディプロレスらしい場外戦ありのドタバタ模様。

何故か普通の中年男性がしきりと試合に口出しして、しまいには目の前で散々ぶっ飛ばされていた。

シャツを脱ぎ捨てリングに上がりお説教。

どうやらBKFのコミッショナーらしい…。


とまあ、ここまでは良かった。

そこへ突如のそのそ乱入してきた太仁田ブ厚という男。

安田大サーカスのHIROさんに革ジャンを着せたような、この、えーと、あーもういいや。

コイツの乱入とマイクのヘタクソな事。

大仁田さんの真似をするにも、乱入して神田選手とヤマダマン選手を傷め付けるにも、どうにも締まらない。

で、みんなボケーっとしてたら本当にそれで無効試合。試合終了。


は?


中学生がヒマな同級生集めて体育館でプロレスごっこしてんじゃねえんだぞ。

でツイッターみたら「俺はこれまで凄い選手と戦ってる、知らないだろうからみんなぽかーんとしてた」だと。舐めんな馬鹿野郎。


お前が壊したのは試合じゃない、お客さんの財布の中の千円札を破ってドブに捨てたのだ。

普通、サプライズというかハプニングなんてのは得したと思うもんなのだが、自分だってそれなりに色々見てきたつもりだったのだが、まあー甘かった。

そして今まで見てきたプロレスの試合、選手、そのすべてが素晴らしいモノであったと改めて実感した。

 

この前日に見たアイスリボンさんの選手の、何倍の体重があってこの体たらくなんだ。同じ全4試合で第2試合まで来て、マトモな試合がひとつもない。

この場合だって乱入して試合が無効ならトリプルスレットでももう一人入れてタッグマッチでもしたらいいだろ。どーゆー段取りと時間配分か知らんが。

「本当にアレで終わりだとは思わなかった」

と言うのが精いっぱい。プロレス初心者の友人は

「なにこれー、わかんなーい!」

とおどけていたが、おそらくこのままだったら二度とプロレスなんか、見向きもしなかっただろう。


太仁田ブ厚、認めまじ。

コレで対戦させられる大物選手が気の毒だ。

あと少しやって進歩が無かったら廃業するべき。インディー団体の「功罪」の「罪」のほうに手足が生えて皮ジャン着せたような奴だった

普通にヤマダマンポンド選手VS神田カレーマスク選手のシングルマッチは、いつかどこかでキチンと見たい。

 

この試合の後の休憩と、第3試合で全てがリセットされ救われた。

正直、この試合だって松山勘十郎選手、いや座長の対戦相手は普段は他の仕事をしているさちこYOKOZUNA選手という巨大な女性。

 

白塗りの男、巨大な女性。ミラーボール、リング、酒場。

まるでテリー・ギリアムの映画みたいな組み合わせ。

だが悪夢はココまでだった。

 

この試合、見事でした。

千両役者は伊達じゃない!

一人で動き回り、叫び、第3「試合」を作り上げた松山勘十郎座長。

プロの技、しかと拝見いたしました!

 

試合はさちこYOKOZUNA選手がデビュー戦以来の秘めたる想いを座長に告白。

まさかの展開!となった所で電光石火の丸め込み。

惜しくも愛のゴングは鳴らせなかった模様。

昔、エンタメ政権期のFMWでやっていた井上京子選手と黒田“最高”哲広選手の恋愛劇みたいな展開をしてくのだろうか…。

 

第4試合メインイベント。

石橋葵選手&あきば栞選手

VS

バンビ選手&ミス・モンゴル選手

 

熱い戦いであった。

石橋選手の復帰戦だからといって下手な飾りや小細工は無し。

石橋選手は新コスチュームで心機一転!

悪党一筋のミス・モンゴル選手と、普段は男子選手とも当たり慣れているバンビ選手の強力コンビの牙城は如何ともしがたく。

軽量級ながらトリックスターよろしく試合を引っ掻き回すあきば選手も、控えの間必死であおい!立て!行け!と激を飛ばす。なんとか二人で連携を見せるが、最後は惜しくもギブアップ。

 

男女もキャリアも関係ない、ひたすら戦う美しさがあった。

石橋葵選手が怪我から立ち直り、あの場に立ったという事で既にちょいとグっと来ていたが、やっぱり自分も何かしなけりゃ!と思わされた。

試合を見る前までの緊張感、試合が終わったあとの爽快感。

これぞプロレスと言った感じ。

 

うしろ2つの試合で充分に元は取った。

むしろ第2試合の月面のクレーターみたいなマイナスを埋めて余りある。

プロとアマチュアの差がこうも如実に出ると、本当に悪い意味でもプロレスの敷居って低いんだなと思わざるを得ない。

その敷居さえ跨げなかった自分が情けなく、本当に悔しさが蘇える。

 

だからこそ私はこれからも好きだと思う選手はとことん応援するし、団体は追いかけたいし、その逆を感じたら遠慮なく書き散らかしてしまいたいと思うのであった。

 

2日間でそれぞれ全然違うプロレスを見て、とても楽しかった。

同行の友人はサイン入り松山座地獄Tシャツを着て京浜東北線に乗りこんでいた。

あきば栞選手がお気に入りだったようだ。

楽しんでもらえて本当によかった。

いつ、どこで、何がハマるかわからない。だからこそ、いつも素晴らしいプロレスを望んでやまない。

皆さんも是非。

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