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 そんなことより。今の目的は帰宅である。

 補導される前に家に帰らなければいけないのです。


 閑静な住宅街を、この幕開けと同じように息を切らして走り抜けるのだ。


 まったく、何の嫌がらせだろう。



 遠いよ!













“語り手”は『舞台』を後に。

「……ヤマイ、そっちに居るってことは知ってるんだね?」


残る“役者”が顔を上げる。

「知ってるけど」






「答えは“夜光虫”。……味気ないだろ」

「……それもそうだね。でも、」


 噂話に真相は付き物。


 屡塔のマスターの感じた言葉にヤマイは頷く。





って、どう考えてもフツーじゃねえよな?」







【八番目の日常/完】

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あの街にある塔 冬春夏秋(とはるなつき) @natsukitoharu

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