R-18のラーメン屋

作者 starsongbird

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★★★ Excellent!!!

30年ほど前、伊丹十三監督の「タンポポ」という映画が流行りました。一世を風靡した一連の伊丹映画の初弾でした。宮本信子演じる女将さんに山崎努演じる流れ者がラーメン作りを指南する。二人とも渋かったあ。
この作品は「タンポポ」とはストーリー展開が全く違いますが、渋くて癖のある登場人物と、場末だけど濃厚な存在感を漂わせるラーメン屋という舞台がソックリです。それだけ文章が上手いです。
ストーリー自体も骨が有ります。豚骨がスープの出汁を出すように、後半で女将さんの態度の謎解きが為されるのですが、その決着の付け方がまた渋い。客の方はハードボイルドですよ。
短編にはMAX2つが信条なんですが、星3つ付けました。
作者の投稿履歴を見るとカクヨムからは遠ざかっているようですが、是非戻ってきていただきたいです。

★★★ Excellent!!!

starsongbirdさんは、しんみりとした空気の中でしっかりと人と人との心の交流を描く(あとタイトルがハッタリ)というお話が得意なのですが、このお話も「なぜ18禁なのか」「なぜみんな食べにくるのか」という謎解きを見せつつ、主人公と店主の交流をしっかりと描いています。小腹がすいた深夜に是非お読みください。

★★★ Excellent!!!

不思議なラーメン屋の持つ魅力にひかれて読み始めました。なぜラーメン屋がR-18なのか、なぜ店主はあれほどに無愛想なのか、なぜそんなラーメン屋に客が集まるのか、そしてなぜ繰り返しラーメン屋に通うのか……
ラーメン屋の謎が明らかになるとき、ぶっきらぼうな店主が愛おしく思えるようになります。私もこのラーメン屋、行ってみたいです。怒鳴られちゃうかな?