カズレオン・ボナパルト
ドスッドスッドスッ
大きな何かが馬小屋に近づいてくる。
「ん?ん?ん?何だ!?」
「あ!オークの兵隊さん!」
エルフが
「おう、マリー
「えへへ、マリーはいつも元気だよ!」
「そういやさっき、小屋の方から大きな音がしたんだが・・・大丈夫だったのか?」
「うーん、アレフが
「そりゃあ災難だったな。ところでマリー、あれは誰だ?」
少年を指さす。
「えっとね、カナガワケンヨコハマシから来たカズくんって言う人だよ」
「
「うん、そうなの。だからマリーもあの人の事よく分からないんだ・・・」
「ふーむ・・・。それよりマリー、いつもの頼む。」
少年の話題が打ち切られる。
エルフは小屋に用意していた数枚の
「おう、助かる。じゃあな、マリー。クククッ」
「うん、またねー!」
ぴょこぴょこ
「あれ、上げちゃっていいの?」
そう少年が質問する。
「うん、いいの。だって兵隊さんの
「なあマリー。貯金とかってあるの?」
「貯金?馬小屋にあるのは馬とお馬さんに上げる
「うーん・・・生活に困ってないの?」
「ぜーんぜん、だってマリー幸せだから」
にっこりと笑う。
少年は何かを察したような気がした。
このエルフの深い
言い知れぬ
けれど少年は、自分ならば何とかできるんじゃないかと、そう思った。
異世界への希望。
現実に打ちひしがれていた、彼の情熱が
「そっか・・・じゃあさ、
「え~っ!?」
目が丸くなるエルフ。
「カズくん、そ、そんなのどうやって?だってマリーはもう幸せなんだよ?」
「うーん。じゃあ大きい城を作ろう!マリーが住むには広すぎるお城だ。」
「大きいってどれくらい?」
「あの山より大きな城!」
遠方の山を指差す。その山は雲をも突き抜ける巨大さだ。
「む、
「
「現実に不可能という文字はあっても、異世界に不可能という文字はない!!!」
「奴」が異世界にやって来た @Reject2nd
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