3。飯屋(メシア)つまり、人食い鬼カルロス・カルローロ

カルローロと人肉の話。



 冗談ですよ、お客さん。あなたの事、食べたりなんかしません。ちょっと前にいい人肉を仕入れましたからね。活きのいいやつです。街の養人場の特Aランク。霜振肉の一番おいしい所でして。…ええ、最近の人間の肉はとても臭くてねぇ。豚や鳥のように、我々が食べられるような肥え太った人間の肉を得るには自分で育てるしかない訳でございまして。 

 というで、つまりは養人場が必要な訳でございます。その経営の為に街の中でも人肉をよく使うレストランをかき集めまして、それぞれが共同経営者となりまして、私共の店の売り上げの一部を養人場の経営に回しまして、それでもって安定的に人肉を卸す事に成功した訳です。そのおいしさったら大変な物でございますよ? 他の肉では味わえない独特の歯ごたえというものがございまして。まぁ、外の世界でも猿の肉などお出しするレストラン、料亭などございませんでしょうから、何かの記念に一つどうでございましょうか。

 本日のランチは、人肉のバルサミコ酢煮込みでございます。シンプルながら、霜降り人肉の甘さと柔らかさを堪能出来るひと皿になっております故、、、

 ささ、どうぞこちらの席にお掛けになって、コートはこちらに、、、


 それでは、料理が出来上がるまで、少々お待ち下さいませ。

 今ワインをお持ち致します。 



 

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とんでもない街、国、そして人々 雨皿 @amasara_kayahata

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