ボエマーの紹介してくれた美味しいご飯屋さん?




 ははぁ。気に入ってくれたかい? なら良かった。そいつは暫くの間倉庫の奥深く、ハリーの杖のように眠っていた、現代に生きる数少ない魔法の道具さ。大事に使ってくれよな。勿論使える回数は一回だけだからな! そこを忘れないようにガハハハハ。


 …で、何? 腹が減ったって? そうか、朝この街に来たんだな。じゃぁまだこの街の名物を一口も食べてないって感じか。ふむぅ、なら俺がとておきの店を紹介してやろう。なに、別にその店と手を組んでボッタくろうだなんて思ってないさ! この店の看板に誓ってもいい! つまり適当な信用って話だよな! ガハハハハ! というのは半分冗談だ。多分俺の紹介という事であれば素直な金額で適当に美味しい物を作ってくれる筈だ。この先にある五叉路の、右から数えて三番目、そう真ん中の道から伸びる一本の細い坂の先に、『一番搾り』ってう店がある。そこのフレンチはそこそこ絶品だ。地上でやってるどの店より手頃で程よいランチな時間を過ごせるぜ。



        ***

       一番搾り

               ―カルロス・カルローロ

                       ***



 


いらっしゃまいませお客様。

ええ。電話で、ボエマー様よりお話は伺っております故―

 

 

 




お前を食って殺して食べて差し上げましょう。

ここは人食い鬼が集まる、小さな街の小さなバーなのでございます。 


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