身体が縮んでしまった主人公トウカちゃん(幼女)が領地とパパの心を癒していくちょっとハラハラドキドキしながら進んでいく物語です。
パパの周りの人たちと助け合いながら幼女であるフリをしつつ逸脱しすぎないように奮闘し、ワーカーホリック気味なみんなの心を癒すトウカちゃんが最高にかわいいです!
パパのなかなかみられない優しさと愛おしさの籠った微笑みややり取りに読むたびにキュンキュンしつつ読んでいるこちらまで癒されほっこりしちゃいました。
不穏な影がちらほらあったり、隠し事も多くまだまだのんびりとはいきませんが一つ一つ確実に困難を乗り越えお二人や領地が安寧を迎えられるのを応援したいとおもいます!
トウカちゃんの成長とパパの平穏を楽しみにしております。
ある日、幼女の姿になって異世界に転移したトウカは、辺境に派遣された魔術師クラヴィス・ユーティカに拾われて養女となる。領主の不正を暴き、新領主となった養父と養女が貧しい辺境の改革に乗り出す内政ファンタジーです。
トウカの転移した異世界は、中世ヨーロッパに酷似しながらも魔法が発達した世界。けれど基礎的な科学知識が欠けており、風呂や水道はあるのに石鹸や洗濯機がないなど、どこかチグハグな世界でまだまだ改善の余地を感じさせる。
絶世の美貌の持ち主で何事にも優秀な養父クラヴィスは、トウカの現代知識を引き出して辺境の開拓に有効活用しようと試みるのだけれど、その関係は親子というよりも上司と部下?
能天気なトウカはあまり深く考えず、甘いお菓子と快適な生活のために砂糖を作ったり、生活雑貨を作ってもらい満足しているだけなのだけれど、そうした彼女の思いつきが領地の発展に繋がって人々の暮らしを変えていく光景がワクワクしました。
仕事中毒な養父と私生活優先な養女の凸凹親子が辺境から世界を変えていくのが痛快な作品です。
(「養父と娘の物語」4選/文=愛咲優詩)