月影に沈む覇道の行き先 ~養父と養女の辺境改革~

作者 空桜歌

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★★★ Excellent!!!

 ある日、幼女の姿になって異世界に転移したトウカは、辺境に派遣された魔術師クラヴィス・ユーティカに拾われて養女となる。領主の不正を暴き、新領主となった養父と養女が貧しい辺境の改革に乗り出す内政ファンタジーです。

 トウカの転移した異世界は、中世ヨーロッパに酷似しながらも魔法が発達した世界。けれど基礎的な科学知識が欠けており、風呂や水道はあるのに石鹸や洗濯機がないなど、どこかチグハグな世界でまだまだ改善の余地を感じさせる。

 絶世の美貌の持ち主で何事にも優秀な養父クラヴィスは、トウカの現代知識を引き出して辺境の開拓に有効活用しようと試みるのだけれど、その関係は親子というよりも上司と部下?

 能天気なトウカはあまり深く考えず、甘いお菓子と快適な生活のために砂糖を作ったり、生活雑貨を作ってもらい満足しているだけなのだけれど、そうした彼女の思いつきが領地の発展に繋がって人々の暮らしを変えていく光景がワクワクしました。

 仕事中毒な養父と私生活優先な養女の凸凹親子が辺境から世界を変えていくのが痛快な作品です。

(「養父と娘の物語」4選/文=愛咲優詩)