命について、何度も自らに問いかける秀逸なる短編

 自らの中で何度も繰り返し問いかける生と死、愛について。
死にたいと思う人、生きたいと思う人、愛する人がいる人いない人、すべての人に一度、ぜひ読んでほしい短編かと感じました。

 特に心に残ったのは、『僕』に痛いところはないか、腹が減ってないか、聞いてくる父の姿。
 愛する者が生きていてよかった、誰にも口にできないのだがその心がしみじみ伝わる素晴らしい描写でした。

 絶望からの4つのプロセスをふと、思い起こしました。何度も読み返し、考えたい一編でした。