(仮)続断罪の書
紅黒蝶
(仮)
--とある休日
俺こと夕月透は朝から家でゲームをしていた。
友達と遊ばないのかといえば遊ぶ友達がいない。
いわゆるぼっちである。
極端に頭がいいのかといえばそうでもない。上位三十位に入るぐらいだ。
それなりに頭いいと思っただろ?だが俺の学校はそこまで頭のいい学校ではないのだよ。
顔はたまに女と間違えられる中性的な顔、俺的にイケメンだったらよかったんになぁ。
「しかしまぁ、今日は暑いな。」
俺はエアコンをつけようとしてベットから立ち上がったそのとき
ーピンポーン
玄関のチャイムが鳴った。
「ったく...こんな時間に誰だよ。」
そろそろ21時になるところだ。
「すいませーん宅配便でーす。」
なんだ宅配便か...あれ?俺なんか頼んでたっけ?
「はーい今開けますー」
ガチャッ
「こんにちは、夕月さんのお宅でよろしいでしょうか?」
「そうですけど...」
「ここにサインかハンコをお願いします」
「はい」
「ありがとうございました」
さてと、結構このダンボール箱重いな....
え、送り主かいてないぞこれ...
どこの誰からの荷物だよ。
両親は幼い頃いなくなり唯一いる家族は妹だけだ。
妹は学校の寮で生活しているので最近はあまり会っていない。
妹が荷物持ってくるときは自分で来るんだがなぁ。
それはおいといて箱の中身なんだろ。
ガサゴソ
新聞紙がめっちゃ入れてあるな...
「へ!?」
俺は思わず変な声を出してしまった。
「なんだこの本くそ重いぞ」
箱から出てきたのは辞書サイズの分厚い本だった。
題名もない作者も書いてない真っ黒い本。
「うわっ紙まで真っ黒じゃん何が書いてあるんだろ」
俺は中を開こうとした。
否、開かなかった。
「なんだこれ、開かないしょうがない本棚に突っ込んでおくか」
それにしてもあの本を送ってきた人誰なんだろうか。
「にしても暑い部屋より外の方が涼しいかなー」
「よしコンビニに行って涼んでくるかな。」
朝からゲームしてて飯食ってない。
既に時計は22時半をまわっている。
リュックをもって外に出た
コンビニへの近道を通ろうと小道に入ったら、
「おい、お前。」
なんか変な人がいた声かけたの俺じゃないな。
「貴様だ。」
「ふぁっ!?」
なにこいつ心の中読んだ?こy
「おまえ金よこせよ、今俺金ないんだよ。」
いかにも不良っていうかヤンキーっぽいやつに絡まれた....
めんどくさい.....
「俺に金せびるぐらいなら働け。ってか見知らぬ誰かに金を無償であげるほど金ないし。」
そう言ってやった
案の定ヤンキーは怒り
「なめてんのかこのクソガキィィィィ!!!」
と殴りかかってきた
「ふぁっ!?」
俺はよけながら
「誰が舐めるかよキモチワルイ」
「てめぇぇぇぇぇ」
「うっせーなぁ」
勢いよく殴りかかってきたところを足を引っ掛けて転ばせる。
「痛てえぇぇぇぇ」
「だからうっさいって」
「黙れ!クソガキ風情がっ!!」
立ち上がりまた殴りかかってきた。
「ったく嫌になっちゃうこれだから低脳は...」
「なんだと!!」
「はぁ...まったく暑いんだから寝ててよ。」
ため息をついた。
またまた勢いよく殴りかかってきたのを
「よいしょっ、と」
俺は見事な背負い投げを決めてみせた。
「がはっ...」
「まったくもう、暑苦しいんじゃボケェ!!そのまま地面とキスしてろ。...っとやべっ力いれすぎたお〜い生きてるか〜」
こいつ気絶してやがる。
一応警察に電話しておこう。
事情聴取など受けやっと帰れると思ったら。
「やべっもうこんな時間かよ!?俺飯買ってねぇし」
急いでコンビニへ行きカップ麺を買い自宅に向かった
「なんか今日は散々だったなぁ」
ふと地面を見てみるとうっすらと毒々しい赤い光が見えた
「あれ...?なんだあの光は?」
近づいてみると今日宅配便で届いたあの『黒い本 』だった
「えっ?なんでここに...?」
そう言いながら拾おうとしたら
何処からともなく声が聞こえた
「うふふふ....クスクス..... 」
悪寒がした
「誰だっ!?」
「ふふふっ...そうね、神、とでも言っておきましょうか 」
「神だと?」
「そうよ 」
「ところで俺に何の用だ」
「さぁ? 」
会話が成り立たない...
俺は帰ろうとした──が
「くっ...なんだこれ動けねぇ」
「そんな慌てずに帰らなくてもいいじゃないの 」
「ふざけるなっ」
「あら怖いまぁいいわ。はいこれで動けるでしょ? 」
「お、おう」
「ふふふ...ねぇ貴方は行き場を無くした蝶は、最後どうなると思う? 」
「いや意味わかんねーしナニソレ」
「答えは、蜘蛛の巣に引っ掛かって、タベラレチャウノヨ 」
突然物凄く嫌な予感がして俺は全力でその場を離れた
──ここにいてはいけない、と
「はぁはぁ...くそっ今日はろくな事がねぇっ!!」
自宅に向かって走っていると段々と霧が濃くなっていく
「くそっ何だこの霧は家どこだっ」
俺は無我夢中で自宅のある方向へ走った
だが周りが霧で覆われていてどこがどこなのか分からなくなっていた
「うおっ!?」
何かを蹴っ飛ばした気がする....
(仮)続断罪の書 紅黒蝶 @benikokutyo
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。(仮)続断罪の書の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます