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【NEW】ヨンダ編(九)久々の更新はレビュー活動のおしらせ

 長く放置状態だった本稿。もうちょっと続けとこうという気に最近ようやくなれたので、まずはとっかかりとして、現在行っているレビュー推進活動について触れてみることにします。

 近況ノートではもう触れているので、そちらを読んでいただいている人には、既知のことになりますが。


近況と読者の〈自主企画〉イベント/久保田弥代の近況ノート - カクヨム https://kakuyomu.jp/users/plummet_846/news/1177354054882954397






 最近追加されたカクヨムの機能に「自主企画」というのがありますな。

 その中で、こんな企画が催されている。



誰かに校閲・しっかりとした感想をもらいたい人向けコンテスト - カクヨム https://kakuyomu.jp/user_events/1177354054882945099



 カクヨムのレビューは、規約的に「誰かにお勧めする感覚」で書くように求められているので、結果として、キビシイご意見はあまり書かれなくなっている。

 そのおかげで、本当に良し悪し判断できる能力もないのに刺々しく言葉を投げてくる輩に、心をへし折られる被害は少なくなっているだろう。反面、「ちょっとここはどうかと思った」というような意見すら書かれないという傾向があるようだ。

 そういう意見がもらえないというのも、上達することを考えると、寂しいものはあるのだろうと思う。このイベントはそう思っている作者さんたちが、向上に資する意見を求めている場なのだ、と理解している。



 このイベントに、読者つまり批評を寄せる側として参加することにした。

 最初にこのコンテストを知った時、二つのことを俺は考えたのだった。


 まず第一に、最近自分の筆業の方はからっきしだし、そんなら、他の人の後押しくらいはしてみたいなぁと思ったこと。元来、自己分析では俺は創作家というよりも批評家タイプで、本当はそっちの方が向いているんだろうなぁと常々考えていたので。ならちょうどいい、レビュアー、批評者が求められているイベントのお手伝いくらいは出来るだろうと。

 まぁ、親切心というか。←偉そう


 そして第二に、それこそ先ほど触れた「本当に良し悪し判断できる能力もないのに刺々しく言葉を投げてくる輩」が出現しちゃったら嫌だなぁ、と考えたこと。まぁ出現を止めることは出来ないが、別の書き方をして役立てれば、「まぁそういうヤツばかりでもないんだな」と思ってもらえる機会も生まれるだろうと。

 それに、言葉だけキツい指摘では実際の向上には繋がらないだろうし、そればっかり集まって「これぞ辛口批評」と思われるのも嫌だ。


 ということで、読む側、レビュアー側として参加しようと思ったのである。






 しかし実際、「作者の向上に資する」意見というのは、出すのが難しい。


 カクヨムは前述の規約があるので見かけないが、他サイトでは、「辛口批評」の名を借りて、なんか表層的で読み込みの浅い指摘をしている例が多々見られた。表面に見えやすい瑕疵は指摘しやすいが、「面白い、面白くない」の本質はもっと別の、見えにくいところにあることが多いので、そうした「つまんない欠点指摘」が作者の向上に資するのは、割と限られた状況しかない。まずもって、作者が初心者のうちだけだ。逆から言うと、中級者以上になると、表面的に現れる以外の問題を抱えてしまっていることが多くなってくるはずなのだ。


 例えば、個人的にアマチュア小説を読んで感じることの中に、『その時その場所の風景について描写されない』点がある。さらに最近になって、その理由の一つに、文章が(たぶん無意識のうちに、結果として)独白体になってしまっている場合があるな、と分かってきた。酷い場合は、三人称のくせに独白体めいたものになっていることすらある。もしかしたら、最近は商業出版物でもそういうケースがあるのかもしれない。これは書いている時の作者のポジショニングがそうなってしまっているのだろう。

 そういう場合に、「あなたの文章には風景がない。それを書くようにすべき」と指摘しても、そうなってしまう根本は矯正できないわけだ。

(※この一節は、意図して分かりやすく説明しながら書くことを放棄している)


 そして、今この文を読んできて、「独白体ってなに?」と思ってしまったあなたには、残念ながらこの指摘は出来ないのである。



 ……と、偉そうに書いているが、俺もホンモノの書評家・批評家・評論家になれるほどの蓄積(読書量)はない。しかし、少なくとも受賞デビュー経験者としての能力が備わっていることは結果で示している。ソノラマ文庫は文章の上手下手もかなり厳しいところだったし、その編集者に「文章巧いね」と言われた程度の自負ならある。

 カクヨムで、上達を欲しているがどうすればいいか分からない人の、指針くらいは指し示すことが出来るんじゃないか、くらいのことは思っても罰は当たるまい。だから安心して欲しい。←何に






 ところで、批評というものは、単にそれを向けられた作者だけが恩恵を得るものではない、と思っている。その作品を読み、良い批評に当たれば、読者にとっても有益なものだ。

 創作者にとっては、ただでさえ、自分以外の他人の読み方、物の見方というのを知るのは勉強になるものだ。執筆で使える技術的な学びもあるだろうし、作中で登場させる人物像のバリエーションにも繋がっていく。また、作品内容と照らし合わせて「答え合わせ」をしてみるのも、自分の創作能力を深めてくれるに違いない。

 いわゆる読み専の読者であっても、読み方の幅を広げる一助になるだろう。読書の楽しみ方が一つまた一つと増えていくのだ。


 つまりは、「レビューもしっかり読むといいよ!」ということを言いたい。もちろん、そのレビューは他人のものではなく、あなたが提供するものであっても良いのだ。だからもっとレビューを書こう。というか他人の作品を幅広く読もう。文章を書く基礎能力は、「良文」を読むことでしか身につかないのだから。

 「良文」が条件なので、あんまりアマチュア作品ばっかり読むのはオススメできないが。いやいるよ、カクヨムでも、俺も舌を巻いたくらい巧い人いたけど。でも、やっぱり圧倒的に数が少ないからね。






 ということで、このイベントに関する俺のレビューはここにまとめてあります。その他のレビューも(イベント外の作品も読むので)一覧からどうぞ。


読者企画〈誰かに校閲・しっかりとした感想~〉のレビュー作品一覧【随時更新】/久保田弥代の近況ノート - カクヨム https://kakuyomu.jp/users/plummet_846/news/1177354054883003238


 ま、結局のところ_(´ㅅ`_)⌒)_  こんなことレビューで書いてるよ、という自分の宣伝みたいなもんだ、最後は。いいじゃん作品読まれないからレビューくらい読まれたいんだよ。←本日のオチ




 ところでヨンダ編次回は、レビューを「書く」方でいかにして自分の創作能力向上に繋げられるかについて触れてみたいと思ってまふ。

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