うわっ…私の王様、強すぎ…?

あー

第1話もうまじむり

 はぁ……なんで私がこんなこと……。


 私がこの城の清掃のアルバイトを引き受けて1ヶ月が経った。

 引き受けたという表現が適切かといわれれば実際のところ違うんだけど、

 この際そんなことはどうでもいい。


 それよりも、なぜ魔法学院を成績トップで卒業し、魔研の就職も決まっていた私が、こんな城でしかも清掃とかいう魔法と一切関係のないアルバイトなどをさせられているのか。だ。


 ハッキリいうが、給料も安い。おまけにきたないところばかり掃除させられる。

 こんなかんじだから人使いも当然荒い。

 なんで私がこんなことをしなければならないのか……。

 自問しながら仕事をしている日々だ。


「もっと気合をいれて掃除しろ!」


 うるさい。これでも十分気合を入れて掃除をしているつもりだ。

 だいたいあいつはなんなんだ? 私より入ってきたのが1日違うというだけで、なんでそんなに先輩ヅラなんだ? 魔法もロクに使えない。給料も私よりも安い。

 なんと理不尽なことだろうか。

 いまここで魔法を使えるならあいつを葬ってしまいたいくらいだ。


 あんなことがなければここでこんなクソみたいなバイトをはじめることもなかったし、もっと気合を入れて掃除しろ! とかいうアーティ先輩に会うこともなかった。

 なぜこんなことになってしまったのか……。

 もし仮に時を戻せるなら、自分に忠告してやりたい。

 わたしがこれから行う行為は、わたし自身の人生を大きく狂わせることになると。

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