この作品に無用なあらすじは必要ありません。
『戦隊モノ』です。
あの、ほら。日曜の朝にやってる。
男子なら毎週見てた、あの『戦隊モノ』ですよ。
その。
良いところばっかりが集められて、この物語の中に詰まってるんですっ!
もう、読んだらわかるっ! 読んだら思い出すっ。
ヒーローを待ってたあの気持ち。「大丈夫、このあと、きっと助けに来てくれる」ってドキドキしてたあの気持ち。「ほら、やっぱりね!」って安心するあの気持ち。
描写も無駄が無く、登場人物達の会話のテンポも軽妙。だからこそ、映像としてリアルに目の前に現れてきます。
『士魂注入! 剣豪チェンジ!』と登場人物が叫ぶたびに、脳裏に変身ポーズと何故か音楽まで流れてくる始末。もう、テレビで放映して欲しい、このヒーロー達を。そして個人的には、きなこちゃんの変身ポーズを見てみたい……。いや、いかんいかん。
頑張れ、剣豪戦隊ブゲイジャー! 未来のために、こどもたちのために!
最新話まで読了したので再投下します。
魑魅魍魎、妖の類が人の世に跳梁跋扈して人々を襲う剣呑な世の中。
そんな妖怪を人知れず退治て回る。それがブゲイジャー。
帰宅部でゲーマーの赤穂士郎はある日物理教師田島に呼び止められる。
「おまえ、剣豪戦隊に入れよ。剣豪戦隊ブゲイジャー。焼肉おごるからさ」
脈絡のない勧誘を当然断る士郎。
そんなある日不穏な噂、児童の連続誘拐がこの地域に起こっていることを知らされる。
否応なく怪異に巻き込まれていく士郎、そこに現れたのが武士かぶれの変人で通っている隣のクラスの黒田武史だった。
彼から渡された二つのアイテムとは――――。
漫画の神様が構築した特撮戦隊もの。それを変に曲解せずストレートに継承することで独自の、本当にありそうな世界観を創りあげています。
メンバーも個性的で、一見やる気のない、でも次第に感化されていくレッド。
愚直なほど、剣術や武士道にこだわりを持つブラック。
生粋のお嬢様を通り越してお姫様。でも頭の回転が速く、人あしらい洞察力、それに戦闘力も高いピンク(武器は何と銃!!)
作者さんの投影とも言える、剣術や特撮に造詣の深いイエロー。
彼らがブゲイジャーに選抜される。その驚愕の選抜方法は?
それに、ノリやこだわりが強く、飄々としていながら腹に一物持っていそうな年長者(個人的には『おやっさん係』と呼んでます)の田島先生。
出てくる敵は、これも日本で確たる人気のある妖怪。
彼らの目的は、そしてブゲイジャーは伍することができるのか。
作者さんの並々ならぬ戦隊愛に頭が下がる一作。
特に応援コメント欄の返信項目を見ると、構成や技、変身ポーズ、各話の次回予告に至るまで、戦隊への限りない敬愛が見て取れます。
そして、剣術。ペンネームにも表れている通り、剣に対する熱意が文章量からもわかります。
ブゲイジャーたちは妖怪たちを撃破できるのか。
そして、7話目にしてまだ出ていない五人目はブルーなのかグリーンなのか。
今後の展開が気になる作品です。
やばい、面白すぎて最後まで一気読み。
痛快なアクション、奇想天外な設定。キャラの描き分けも巧みで、主人公が徐々に「正義の味方」に成長していく過程も好感度が高いです。五人目(ブルー?)がすごく気になる。
戦隊物への愛に溢れる本作ですが、ピンクの武器・ガーランドの描写からはミリタリー方面の知識の豊富さも覗え、時代小説や時代劇への造詣の深さも感じ取れます。知識と実力のある作家が娯楽方面に突き抜けると、このような傑作が生まれるというお手本のような作品です。
戦隊活動?が部活設定なのも面白く、日常と非日常の垣根をやすやすと越えさせてくれました。
戦隊物のファンのみならず、多くの読者にお薦めします!