非対称な二人

作者 吾妻栄子

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★★★ Excellent!!!

まず感じたのは、言い回しや言語センスが非常に優れている点です。
リベンジとチャレンジの同一性と異質性を瞬時に表し、
「賞賛すべき九十九パーセントよりも、否定すべき一パーセントを他人に触れ回って同意を得たくなる」
というフレーズには驚嘆しました。

じめじめとした思春期の複雑な苦悩が梅雨とリンクしており、
それでいてドロドロし過ぎていないのがいかにも青春的で読みやすいです!

★★★ Excellent!!!

思春期で揺れ動く曖昧な男子の気持ちを絶妙に描いている。何というか歯がゆさというか不器用さというかそういうモヤっとしたどこか懐かしい感じの表現がぐっとくるものがある。
絵描きという主人公の視点を通して描かれる世界の描写が丁寧かつ繊細。風景から人物に至るまで非常に美しい文体は、どこか詩的な雰囲気を漂わせる。
気になった点。
同じ男子高校生というものを経験した自分からすると着眼点は少し違和感? 唇のグロスとか、シャンプーリンスの香りとか。あと、人間関係の機微に鋭いところとか。男子はそこまで気にしてない人が多いのでは?という感じ。モノの見方がどちらかというと女性的な感じ。かつ、絵では負けたくないという勝負的な葛藤は男子的?
総じて主人公は中性的な印象を受ける。それが一つの魅力的なキャラ付けとなっている。
恋愛物とするなら、男子感がもう少しあった方が感情移入しやすいかなあ、と思うのは自分が文化部系男子と程遠いからかもしれない。
ぜひ、そのあたりを他に読んだ人と共有してみたいので、どうぞお読みください!