猫ばなし

90年代、「猫の手帖」という雑誌があった。

その出版局が出した「小さな友だちのために」という小冊子（現在は版元解散）を羅針盤代わりに、
世の捨てられ猫を、
なんとなく保護し、
あるものは無事まっとうな里親さんにお渡しし、
またあるものは救いそびれて泣きながら土に埋めて大地に還し、
一部は残留してその寿命を看取り、
……といったことに付き合ってくれた十数匹の猫たちのあれこれと、
猫の神様に背中を押された一人の凡人の経験談を、
綴っていきます。

尚、猫に関しては話を盛ることはありませんが、
書き手の周辺に関しては、時制、地理、性別その他、多少のフェイクが入ります。

完全なるノンフィクションもといエッセイではなく、
書き手が関わった猫たちの備忘録としてお読みください。