始まりは、一通の手紙。吸い寄せられるようにして「私」は病院へやってきますが、「私」がそこで目にするのは……記憶は頭の中にあるのか? 場所の記憶、場所が見せる記憶ということを考えさせてくれる作品です。病院という場所が見せる記憶は、いったいどこからどこまでなんでしょう…… ひょっとして…… 考えるとゾッとします。「発火地点」をたった今読んだこの私でさえ……
その病院ではいろんなものがなくなっていくの――少しホラーがかったこのお話を読んで、あなたに彼女が見えますか?タイトル・サブタイトルから全てが計算しつくされている、ガラス細工のような冷たさを感じるお話。