物語の中の温度を読者は感じることができない。しかし、この小説の温度とは「蝉の声」だ。だから、我々は感じることができる。この物語の冷たさを。冷えてゆく、あらゆる温度を。
思わず読み返してしまいました。分かりそうで分からない、見えそうで見えない、抜け殻のように半透明な雰囲気。 最後まで読めば、登場人物の求める温度がきっと分かることでしょう。
セミの消えた寒い夏。人類と少女の犯した取り返しのつかない過ち。たとえ世界が壊れても、少年少女には、青春の1ページがやってくる。以上、男子校育ちで、青春を知らないおっさんからのレビューでした。…続きを読む
物語は、さわやかな青春ラブストーリーのように始まります。ところが、舞台は現代ではありません。その世界観も、本当にありそうに思えるような周到な仕立てです。黒板があるような昔ながらの教室の窓の外に、近未…続きを読む
甘酸っぱいどきどき感からの急転直下の怖さで、まさしく作中のデバイスに熱を奪われたようなひんやり感を感じられました。
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