第四部 Kilinzi

1匹目 馬とR6

紅崎との戦いの翌日、ギブソンとフラワーは隣町の競馬場へと足を運んでいた。


「おっしゃ!いけいけ!ドラグーンホーネット!」

「…………」

ギブソンが狙うは単勝。一方のフラワーは三連単を狙っている。

「ところで昨日お前どうだった?」

「ハリモトに負けた。」

「ハリモトとやりあって負けたのか、しゃーねーな。どんな能力かはわかったのか?」

「あの能力は訳がわからない。まぁあそこまで戦えただけよしとしよう。」

と、負けたにも関わらず落ち込んでいる様子もないフラワー。一方のギブソンはハリモトの能力に興味津々だ。


先頭の馬が最終コーナーを曲がりかけたその時、地面が一瞬にして割れた。

「!?」

地面から現れたのは4頭の馬。いや、といったところか。

観客だけでなく馬も、会場全体が慌てふためく中、彼らとのレースに参戦する3人の男。観客席から飛び出した3人は

「誰か知らねぇがここは協力しようぜ!」

「よろしくお願いする。」

「シャハハ、俺の出番かねェ!」

賭けをしていた学生2人に加わった魚人族の男。水色のローブに明るい緑色のちぢれた髪の毛、そしてそこから覗かせる非常に鋭い背びれが特徴的だ。


一方、6本の脚と2本の腕と5mはありそうな巨体を持つ黒馬の怪物、角が生えた茶毛の馬の怪物と翼を持つ白馬の怪物、そして神々しく光る白馬の怪物だ。

光る馬が3人の動きを見ると他の3体に合図を送り呼びつける。

「あらら、今日はそこの魚人を潰す予定だったのに、昨日のファフニアスの撃ち漏らしが出てきちまったか。」

と、呆れたような口調で話す光る馬。

「で、お前はだけけェ?」

「僕は麒麟児一馬キリンジイチバ、ミュータントキリンで覚えてくれてもいいよ。そこのがペガスとニコンであのでっかいのがスニルさ。」

味方のぶんまで自己紹介をした一馬はさらに続ける。

「俺達の計画の上ではそこにいる魚人、レスタ=クインズとか邪魔なんだよねー、詳しい事は面倒だから話さないけど。でさ、お願いがあるんだけどそこの雑魚2人はもう下がってくれない?良かったら仲間にしてあげるからさ。」

一馬の余裕を見せた交渉に最初に口火を切ったギブソン。

「ケッ、ありえねーな!まず何が悲しくて馬の下にならねーといけねーんだ、同格のつもりで言ったにしても雑魚って言われた以上てめーらの仲間にはならねーよ!」

「ケケケ、残念だねぇ…………なら勝負としゃれこもうじゃないか!」

「俺と勝負するけェ?シャハハハハハ!面白い、魔術師を舐めるなよ?」

の腕から青色のR字の紋章が浮かび上がる。はお互いに睨み合っている。

「まーた雑魚掃除か、しゃーねーな!行くかフラワー!」

「ああ!」


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RainbowReYlish 甲羅 @kuresakisyuya

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