16枚目 ギブソンとファフニアス、その後
「レ・リ・シュ・キーッッッッッッッッッッッッッッッッッック!」
レリシュのパワー全開の蹴りがファフニアスに向かっていく!
「やったKA!?」
「馬鹿野郎、どう考えてもそれはフラグだろーか!」
「なんだそれ?美味しいんKA?」
紅崎の精神の中では紅崎の意識しないメタ発言に対してレリシュもネタで返す。
「…………まぁいい。俺に変われ!」
あたり一面に静けさが戻る。先程までの戦闘音が完全に止んでいる。
「ファフニアスは恐らく逃げたな。断末魔も何も聞こえていない。」
中庭の上空には右手をプロペラに変え、飛んでいた紅崎のみがのこっていた。
一方、グラウンドでもバーンズ達が一斉に消えた!
「終わった…………」
「お疲れ様でござる。」
「ふぅ、疲れた。とりあえずクレサキを探そうか。」
普段敵同士の2人と1人が笑い合う。珍しい光景だ。その時、竜が3人の頭上を通り過ぎていった。
その後、中庭で合流した紅崎たちとギブソン達。気絶していた理典やフラワーもそこそこ回復していた。
「今日の所は俺たちは帰らせてもらおう。」
「おい!そんなんでいいのか!?」
帰ろうとする紅崎に理典がストップをかける。本来の目的、ミュータントの痕跡を見つけるという事をしていないのだ。止めようとするのも当たり前だろう。
「奇遇だな、俺も疲れていて帰ろうと思ったところだ。」
「じゃあ先に帰るんだな!」
ギブソン達は足早にその場を去った。紅崎たちもゆっくりと歩き始めていく。
「ところで、あのバーンズとかいうのはなんで無限に湧いてきたんだ?」
「さぁな、今考えても仕方ないだろ、それに俺は実際に見たわけじゃないしな。」
シンの疑問に考えても仕方がないと返す紅崎。これについては実際に見たメンバーはかなり深く考えていて、そうでないメンバーは今考えても仕方がないと思っているようだ。
「悪い、ヘルプタンにやられちったわ。ハリモトは勝利収めてんのになんか悪いな。」
「仕方ないでござる。能力相性が悪かったらどうしようもないでござる。」
「いや、今回は相手全員の能力を暴こうとしなかったらどうにかなっていたかもしれねぇ。」
話の途中で遮るように理典の謝罪が入る。ハリモトがフォローするが理典は欲張ったことを正直に話す。
「まぁ、今回の戦いで相手が使っていない部分まで能力が暴けたってのは大きな情報だわ。今回の目的とは離れたけどまぁいいんじゃね?」
「そうだな。そろそろ能力者協会のランク昇格試験だもんな。情報は多いほうがいい。」
能力者協会とは、普段は独自で活動を続けているチーム同士で作られた協会。
そこでは能力者はランク付けされるのだ。
SABCDEの6段階あるのだが、クレサキのチームはクレサキはDランク、それ以外はEランクであるが、これはチーム全員が昇進試験を受けていない、もっと言うとランク毎に得られる権限が必要ない上に協会全体の仕事をするのが嫌だったのだ。が、今回欲しい権限があるために全員がCランクまで目指す事になっている。
今までに出てきた中ではギブソンにサイオシーがDランク、それ以外はEランクだ。
基本的に役職を避けようとする人間はDランクであえて止まる事が多い。紅崎がそのリスクを受けてまで手に入れたい権限、それは武器の開発や実験、及び基地などの建築物関連の権利だ。
日に日に強くなる敵に対応しきれなくなる事も出てくるだろうと踏んでおり、故に役職で時間が潰れる可能性があっても権限は貰うべきだ、そう考えている。ちなみに、Eランクは実質権限なし、Dランクはチームリーダーとして認められ、チームに所属する者全員に武器売買が許可される。Bランクではさらに秘境と呼ばれる土地の入場許可の権利を得る事ができる。Aランク以上になると協会幹部としての席が用意されており、Sランクだと上級幹部として認められている、という証になるのだ。
そんなこんなで今日あった事の話で盛り上がっているうちに、紅崎の家まで着いた。
「じゃあまた今度な!」
紅崎は家へと上がる。それを見送った彼ら3人もそれぞれ自分の住処へと帰っていくのであった。
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