このタイトルはずるい。

最初は単なるギャグものだろうと思い、「このとんでもない設定をどうオチにつなげるのだろうか」くらいの軽い気持ちで読み進めていったのです。
しかし、十六番目の妹が生まれたあたりから話が大きくなってゆき、どんどんおもしろくなってゆきます。気づけば、その圧倒的なスケールに飲み込まれていました。
SF、そして妹というのは小説投稿サイトでも超がつくほど陳腐なジャンルと題材ではありますが、天才的に突飛な発想がうまくまとめられているおかげでこの話はありえないほどの存在感を放っています。
文体も生き生きとしており、読んでいてすっとなじみます。同じ場面に何人も同じ人(妹)が出てくるのに混乱せず読めたのも、作者様の文才のなせる業なのでしょう。