【3】ゲーム実況に期待するのは辞めよう

「僕も人気者になれそう!」と一番簡単に言われそうなジャンルそれがゲーム実況である。

企業からも協力的となり、間口が広がり、はたから見れば視聴者も増えと投稿者も増え、とても均衡が取れているように感じる。

しかし、それは錯覚かも知れない。


手始めに普通のヒトの発想を紐解いてみる。


「流行っているからあの最新ゲームを実況しよう」

「流行っているからあの最新ゲームの実況プレイを見よう」


需要と供給が成り立っているように見える。しかし、視聴者側がもう一歩前に行くとこうなる。


「有名どころだけ見ればあとはもういいや」


これによりトップ投稿者の数字はうなぎのぼり、爆発的に視聴率が上がる。

すると、トップ投稿者はこう思う。


「新しい視聴者を引き入れるためにどんどん流行のゲームをやろう」

「他の奴らに視聴者を取られる前に誰よりも先に動画を上げよう」


そうすると、トップ投稿者達が同じようにチュートリアルでうだうだやってる動画が発売日に複数上がる。

そして、手練れの視聴者はこう思う。


「ゲーム実況は全部一緒だな、もう見るの辞めよう」


この視聴者が一時的に下がった隙に話題に上がるのは素人ではない。


ちょっと前に話題に上がったゲーム実況に関する話題が二つある。


一つはワタナベプロダクションがゲーム実況者をタレント化させる事業を展開というニュース。

もう一つは「ダメージを受ける度に巨乳を揺らす」と言ったゲーム実況プレイヤーがAV女優だったというよもやま話。


共通するのは売れてようが売れてなかろうがプロの世界からの刺客に視聴者は興味津々だし、それがきっかけとなりそれらの視聴者はどんどん増えていく。


そして素人側からすれば、プロに負けまいと縛りプレイなんかやってみたりするんだけど、縛りプレイはそのゲーム自体に興味がないと見ない。あまりに縛りすぎて底辺youtuber地獄説を自らの手で証明する場合もある。


ゲームに興味ある人が常識的に動画を見る時代ってことは皆が皆見てるという事、要は限定された視聴者を分け合っているような状態。

言ってみれば、もう青天井のまま数字が伸びていくという事はないという事。


ならばどうするかと言えば、ゲームに全く興味のない人を取り入れるしかない。

そういうので手っ取り早いのがアイドル化だったりするし、自然と周りを盛り上げようと神格化されてアイドル化する場合もある。


アイドル化されるのは、10代にも分かりやすい実況プレイ、つまりテンションの高さがウリのゲーム実況者がなりやすい。

そうやって、テンションの高さがウリのゲーム実況者がアホみたいにピックアップされる。逆に見れば、それ以外は工夫を凝らしてもなかなか見てはもらえない。


そういう風にして「最新ゲームをテンション高くやる」「その最新ゲームを見る」が主流となり、それ以外では数字が伸びない流れまでも確立されてしまった。

かといってこのパターンを愚直に受け止め、動画を作ったとしても、トップ投稿者を越えられるような数字を得ることはほぼほぼない。なぜならトップ投稿者が先にやっているのが大半だからだ。


ゲームの目新しさはあれど実況プレイの目新しさは今やもうない。


いつだって盛り上がっている文化と言うものは一言で言える簡潔さと選びきれないほどの多様性が必要だと思う。洗練されてないうちはそれが存在している。

だけど、需要と供給が洗練された今の状況での多様性は、実況プレイヤーには少々あるものの、ゲームジャンルに関しては無に等しい。


世間的にはゲーム実況は盛り上がっていくように見えるが、個人的にはもうこれ以上盛り上がっていく気はしない。


※この文章ではゲーム実況者の面白さを度外視しています。

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インターネットに期待するのは辞めよう 野良ぺリカ @nora_perikan

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