Appendix A-1
<スピラ>恒星船 諸元
航行方式:ライトセルで加速、反物質ロケットで減速する。
総重量:1000トン
中枢部(反物質触媒型核融合推進器/発電機複合体+装甲+マトリクス本体):10トン
ライトセイル:950トン、半径150km(70000km^2)、3次元構造の金属蒸着単分子炭素膜。
反物質ロケット:残りの全質量を占める
反物質複合燃料:推進剤を含まない質量に対する比率
質量比:1.794
反物質:0.351
プロペラント:0.443(ライトセイルの元素を使用)
プロペラント初速:0.93光速
照射レーザー:10^15W
最高速度:0.5光速
加速:ライトセイルによる3.0m/sを2年、この間の移動距離は0.5光年
巡航:0.5光速で103年(55光年を目標にする場合)
減速:反物質ロケットによる0.5m/sを10年、この間の移動距離は3光年
備考:ライトセイルの質量の大部分を0.5光速時に放棄し、その材料を変換した観測システムを目標星系に2光年先行させる。
コンプトン散乱と特殊相対性理論を元に理論値を計算した値。ライトセイル加速ではセイルの質量と反射面積は正確に計算されているが、全体の張力は考慮されていない。また反物質加速ではツィオルコフスキーの公式を特殊相対性理論に拡張した式を用いて推進質量比を得ているが、近光速の噴射速度に対してリフレクターが耐えうるのかは考慮されていない。対消滅反応のエネルギー変換効率は50%を仮定している。これらの計算式の導出と証明はここでは割愛する。
***
登場星系 諸元
ルード星系
・恒星ルード 1.2太陽質量の主系列星、黄色矮星
・惑星アルキデ ルード第四惑星、全球を液体の海が覆う。主星との距離は1AU~1.5AU。
・惑星エクレイデ ルード第五惑星、低温で乾燥した惑星。主星との距離は1.5AU~2.0AU。
太陽よりもやや強度の強い黄色矮星のため、地球に近いアルキデは地球よりも少しだけ遠く、火星に近いエクレイデは火星よりも少しだけ遠い設定である。
エディラカ星系
・恒星エディラカ 0.4太陽質量の主系列星、赤色矮星
・第二惑星 エディラカ文明が存在。主星との距離は0.1AU。質量は地球よりも大きい。
・第三惑星 ガス惑星
強度の弱い主星を巡る第二惑星は地球に比べて高度が低く、公転周期は太陽系基準で20日と短い。それゆえエディラカ人の定義する1年紀は8公転周期分で換算される。<スピラ>恒星船は減速に10年を要し、この間第二惑星は182公転して23年紀が経過した。
第二惑星の質量は地球よりも大きく大気圧も同様に大きい。元々抱え込んでいる大気質量と高い大気圧により、第二惑星の海洋は蒸発しづらく陸地のほとんどは雨が降らない砂漠となっている。したがって第二惑星の生態系は陸上ではほとんど発達せず、エディラカ人は海洋性甲殻類が沿岸地域に進出して進化した種族となっている。
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考証の不備について
この小説では少なくとも判明している限り二点の考証に不備がある。ここで補足説明を追加しておく。
・エディラカ星系の主星は光量の小さな赤色矮星で、惑星が十分暖かくなる距離は太陽系のような黄色矮星よりもずっと近くなる。設定では第二惑星の距離は主星から0.1AUとなっているが、距離が近い場合潮汐力の影響が大きくなり、月のように自転周期と公転周期が同期するようになる。第二惑星はこの影響を無視できず、惑星が常にある面を恒星に向け続けるようになる可能性があるが、それに関する考証はストーリー中には含まれていない。
・このエピソードでは超新星爆発をギミックとして扱っているが、超新星爆発時のニュートリノ放出に対して超新星が光学的に明るくなるタイミングには数日程度の遅れがある。しかしこの小説ではほぼ同時となっている。これはストーリーに若干関わるためそのまま残している。
エディラカの興亡 金狐 @foxy_kitsune
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