願い、奇跡。怪奇、人ならざる者。作者の濃密な世界観に引き込まれる。

当初はミステリー小説を読んでいるような感覚で作品を読み進めていたのですが、物語が進むにつれて登場人物たちがどんどん動いていくさまが感じられて、現代アクションというジャンルにぴったりだと感じました。
かなり細部まで綿密に設定されている世界観や巧みな言葉遊びや言葉選びのセンスは、他の方のレビューにもありますが、奈須きのこ先生や西尾維新先生に通じる所が感じられます。ですが、決して模倣品というわけではなくしっかりご自分の世界観に組み込まれていて非常に引き込まれました。
登場人物たちも動きや外見まで頭の中で明確にイメージができました。どのキャラクターも魅力的で、高坂先生に愛されているのだなと感じました。
そして個人的に一番魅力的に感じたのは、戦闘描写です。文字で戦闘描写を表現するというのは難しいと自分は感じるのですが、この作品では戦闘シーンのスピード感や味方、敵の細部の動きまで想像することができました。また、登場人物たちの能力も分かりやすく、それでいて魅力的なのでそれもまた戦闘描写をより鮮やかにしている要因の一つだと思いました。

完全に素人の目から見たレビューですので、拙い部分や的外れな感想を述べているかもしれませんがお許しください。一ファンとしてこの作品を一人でも多くの方に読んでもらえますよう願っています。