まずタイトルのカッコ良さ。
そして気になるワード目白押しのあらすじと、充分すぎるツカミに惹かれ拝読いたしました。
確固たる宗教的・歴史的背景を持ちながら、独特のライト感覚で現代に降臨した偉人(異人)たちが繰り広げる、伝奇アクションホラーの習作といった感じでしょうか。
応援コメントの返信欄等をお見受けするに、作者様ご自身は本作に相当厳しい評価を下しておられるようですが、それだけ自作に対するハードルを高く設定されているのでしょう。
気楽なヨム側としましては、地獄の最恐チェアマン・エンマ様以下、強烈なキャラによる息もつかせぬ怒濤の攻勢に、オボロ同様大いに翻弄される快楽にただただ身を浸すばかりなのでありました。
これは作者の強靭な想像力が作り出した物語です。
天才占い師の朧を筆頭に、閻魔大王、彼を補佐するシミョウ(彼女のキャラクターがまた秀逸)、神様に霊獣、果ては天草四郎と、曲者ぞろいのキャラクターが、予測不能なストーリーを紡ぎながら駆け抜けていきます。
ジャンルはSFとなっているようですが、現実世界を舞台にしたファンタジーに近いと思われます。物語の進行はスピーディー、しかし文章はとても読みやすく、次から次へと読ませてくれます。
ちょっと真面目に語ると、個人的に物語・小説で重要なのはなにより想像力だと思うのです。荒唐無稽を現実に引っ張ってくる力、それこそが想像力だと思うのです。この物語に限らずですが、この作者の想像力は目を見張るものがあると思いました。
とにかく勢いと笑いにあふれた快進撃、ぜひ読んでみてください。