ゲーム世界への転移――そういう展開になったとしたら、血沸き肉躍る、ワクワクドキドキの冒険譚を駆け抜ける……はずが、そうはならないのが本作の主人公、ショウです。
現実世界への帰還を目指し、クールに、というか非常にマイペースに駆けるというか歩んでいくところが白眉です。
たとえば、旅の道連れになったお下げ髪の彼女とか、普通なら恋仲になったりとか、現実世界へ帰るけど別れたくないとか、そういう展開になるところが、ならないという……。
そういえば、このお下げ髪の人の名前何だったっけと読者に感じさせるぐらい、この娘を活躍(?)させつつ、印象をぼかしていくところは流石だなぁと思います。
テンプレに飽いている貴方、ぜひご一読してみてはいかがでしょうか。