そうさあんた まちがいないさ

 同性愛の禁忌とかそういうことではなく、単純に臆病さと勇気と、小さな跳躍の話なのだと思う。

 大人に足をかけた年頃の大人未満の少女ふたりの、さぐりさぐりのようでいてダダ漏れなやりとりは、常に何かの予感に満ちている。
 深夜の閑散としたレンタルビデオショップという、日付も体裁も何もかも曖昧にする宙に浮いたような空間も、二人の器用さを装った不器用な会話によく似合う。
 卑俗さと空々しさに満ちた空間からの爽やかさを感じさせるラストがまたいい。

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