第6話
「今日、あいつがないてたんだ」
俺の言葉に目の前の親友は驚きを隠せない様子だ。
「そうか……ないてたのか……」
出来れば俺も目の前の親友もあいつのなきごえなんて聞きたくなかった。でもそれは仕方のないことなのかもしれない。それにあいつがないたことにはなにも変わりはない。
俺たち二人の間に重い空気が立ち込める。
「なあ」
親友は俺に話しかける。
「俺達どうすれば良いんだろうな?」
俺は無言で首を横に振ることしか出来ない。そう、俺もどうして良いかわからないからだ。
「どうすることも出来ないさ……ありのままを受け入れよう」
「そうだな……いつかはこの時が来るとわかっていたけどまさか今日……
セミが鳴くなんてな。もう夏だな……」
俺達二人は夏が嫌いだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます