職場も閨の中もどこもかしこもたおやかで、柔らかく、官能的。短編なので息継ぎせずに泳ぎ切れます。
美しく、情緒に訴えかけてくる文章が印象的なお話でした。直接的に表現するのではなく、人魚という比喩を使って登場人物たちの心情を表現する手法はお見事としか言いようがありません。 このような作品が厭われ、軽い文体と分かりやすさが求められるだげの現状に改めて疑問を感じさせてくれる作品でした。
綺麗な様で、綺麗ではない。おぞましい人間のお話でした。文章もすらすらと進められるくらいに読みやすく、オチもきっちりと情感のある物に仕上がっていて、ホラーテイストと恋愛が上手く混ざり合っています。