不覚にも泣いて終った作品。

 正直、なんじゃ、このタイトルは。そう感じて仕舞ったこの作品。おそらく、この段階で俺は嵌って仕舞っていたのかも知れない。
 通常、物語と言うのは『序破急』、もしくは『起承転結』と言う構成でされる物が多い。
 もっとも、山なし、オチなし、意味なし、と言う物語も若干、存在するのは事実なのだが。

 物語は平易な文体で起承と進む、ありふれた物語。
 しかし、転。ここで俺が感じたのは強い郷愁。誰もが通った事がある日常の中の非日常。ケの中に存在したハレの日の事であった。

 今と成っては遠い思い出。そんな満ち足りて居た頃の事を思い出させてくれる。そんな物語をあなたも読んでみませんか?