エピローグ 食糧調達部隊 特殊素材斑 毒見係

あれから半年。


エディ一行は日本で過ごしていた。

リリスの統治から外れた日本は混乱が続いている。

階級社会も崩壊し、今や戦後さながらの混乱具合だ。


比丘尼は再び姿を消した。


モレンドとラメントーソはエディと行動を共にしていた。

「本当に~行くの?」

モレンドがコンの首からエディに話しかける。

「あぁ、決めたんだ。俺も色々学んだ。見てみたいんだ」

「止めませんよ、寂しいですけどね。あぁ存在すると思うから逢いたくなるんですね……存在を無くせばいい!グフッ」

ラメントーソにスピリトーゾが、いい角度で蹴りを放つ。


「準備できたみたいね、エディ」

「あぁ行こう」


その日、天に向けて轟音と共に一筋の光が舞い上った。


砂漠では

「行ったようですね」

「ふっ、彼らもニンゲンの枠を大きく外れた生命ですからね、この惑星にいるよりはいいかもしれません」

「では、そろそろ行きます」

「どこに行くんですか?比丘尼」

「決めてません、地球を歩きますよ、ワタシ死にませんから」

「そうですか」

「あなたはココで過ごすのですかユダ」

「ええ、私はアダムから離れると不都合もありますから」



「地球って本当に丸かったんだな……」

月から地球を眺めるエディ。

「やっと信じてくれたかしら」

得意気なスピリトーゾ。

「気持ち悪いんですけど~」

重力の少ない月の表面を跳ねるコン、どうにも宇宙服のせいでうまく動けないようだ。

「浮遊感が気持ち悪いんですけど~」

モレンドは相変わらず首だけでコンの首飾りと化している。

「キレイですね、青い星……美しい……でもあの青い星で争いが起きているかと思うと……涙が溢れてきます。そうだ、モノリスをぶち込めばいい!」

「蹴られますよラメントーソ」

ハルと宇宙船内で転がっている。


そうエディは今、月にいる。

イヴ×3とハルとコンも一緒だ。


エディはイヴ×3とハルから地球の歴史を教わった。

食糧問題が深刻化した地球で人口の間引きが行われたことを聞いた。

「じゃあ、食糧を探そう」

軽いエディの一言で地球を飛び出したのだ。

地球が本当に丸いか確かめる。

火星に宇宙人がいる。

etc.

自分の目で確かめたかった。

「次は火星ですねエディ」

「あぁいると思うんだよ、タコが」

「いたらいいですね」

「いないわよバカ!」

「食べれるかな?タコ」

「死なないからって言っても~食あたりにはなるのよ~」

「永遠の食あたり……可哀想……殺してあげたい」

エディとコンはキリストの細胞を取り込んで不死となっていた。

リリスのおかげである。

不死の一向は、新たな食糧を目指して旅だったのである。

いつか地球へ戻る。

新たな食糧を調達して戻るのである。

死なない身体で毒見をこなす。

エディの腕章はナイフとフォークをのぶっちがい。

『食糧調達部隊 特殊素材斑 毒見係』

エドモンド・ナカムラ 現在、火星に向けて移動中。

(地球はホントに丸かった……)


                  fin




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食糧調達部隊 特殊素材調理斑 毒見係 桜雪 @sakurayuki

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