~あとがき~


 最後まで目を通してくださりありがとうございます。


 この短篇集は、五年ほど前に書き溜めていたものの幾つかを、改稿して纏めたものです。読み直してみると、「Aだと思っていたものが実はBだった」という展開に偏っていて――自分がそういう話が好きだというのが大きいのですが――反省しています。同じ話の展開だからこそ、掲載順も考えなければなりませんでした。たとえば、「とある嫉妬の話」で人間と思っていたものがそうでなかった、という落ちの後に、「畜生」で獅子と思っていたものがそうでなかったという落ちを持ってくるというようにです。

 テーマもある程度一貫していたように思います。生きるってどういうことなのか、人生は誰が決めているのか……「マイウェイ」は、その二年前に初めて執筆した短編「蝉の川」のアンサー版を意識したつもりです。

 私の中でも、この問いかけに対する答えは、まだ見つかっていません。


 最後に、この場をお借りして……連載中、たくさんのフォローやレビューをいただきました。とても嬉しかったです。ありがとうございました。

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【短編集】蝉の川 楓麟 @fooring

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