第19話 一人目
「何だ?これ」
僕たちが王都へ着くと僕はいつの間にか犯罪者になっていた。
「三人の殺人……ね、やられたわね」
……アイネの言う通りだ、これじゃあ王都を歩くことすらできない。
というか……なんか、最悪だな。
気にしないようにしよう…どうせ殺すのは王都の外なんだし。
このまま、予定通り行く。
「アイネ、お願いできるかな?」
「任せて‼︎絶対に連れてくるから」
「けど、どこにいるかわかるの?」
「まぁ、だいたいね」
すごいな……
僕達は待ち合わせをして、先に僕は向かうことにした。
1時間後……
二人の男女の笑い声がする。
ついに来たか……この時が。
アイネの姿が見える……すごい美人だ。
「……なるほどな、そういう誘い方か」
僕は、隠れていた草むらから出た。
「あ⁉︎誰だ貴様……あぁ、アルフレインか」
やっぱりあいつだった、セネルは僕の顔を見るとニヤリと笑った。
「どうした?殺されに来たのか?犯罪者さん?」
セネルは余裕の笑みを浮かべている。
「僕は君に復讐をするために来た」
「復讐だ?笑わせんなよ、あのとき手も足も出なかった雑魚が‼︎いいぜ殺してやる」
「一つ聞きたい」
「あぁ⁉︎なんだ?」
「あのとき、なんで全員殺した?」
二年間気になっていたことだ。
いくらなんでもあれはやりすぎだろう。
「あぁ?そりゃあ殺したら勇者が力をくれるって言ったからだ、俺は力のためならなんだってやる、人殺しでもな‼︎」
力のためか……クズが……
「アンティラ」
相手が神器を出した、神器はあの頃と変わっていないな。
僕も神器を出すことにした。
「レペンス」
そして、もう一つ工夫をする。
「サクリファイス……コード、ジャッジメント」
そう唱えると、まがまがしい大鎌が赤く光る。
血のような赤だ。
この魔法は、あの日から特訓をしてできるようになった……
復讐心を力に変えることができる、そしてその力で相手を裁く。
「何かしたようだが、俺様には勝てねぇよ‼︎」
相手が来る、セネルはわかっていないようだ。
「ガハッ⁉︎」
お互いの力の差に。
セネルが倒れる……いや落ちるといったほうがいいだろう。
「きさま……俺に何をした?」
セネルには、四肢がない。
そう、先ほどの一撃で切ったのだ。
だが、切れた所から血は出てない、それはアイネに僕がセネルの四肢を切ったら回復魔法をかけてくれと言ってたからだ。
さらに、アイネには鎮静剤のような効果を持つ魔法もかけてもらっている。
そのおかげで、セネルは四肢が切れても落ち着いている。
……笑える。
「何をって……復讐だけど?」
僕は魔法を唱える。
「サクリファイス……サモン、ゴブリン」
新しい魔法のサモンだ、これはモンスターを呼び出すことができる。
僕はゴブリンを四体ほど召喚した。
「………何をするつもりだ?」
セネルの顔に恐怖の表情が出る。
……いいねぇ、その表情。
「ゴブリン、あいつを殺せ」
この世界でゴブリンは最弱とも言われるモンスターだ、そいつにセネルを殺させることによってセネルのプライドと精神を……崩す。
「やめっ……やめろ‼︎」
「やめるわけないだろ」
一体のゴブリンの棍棒がセネルの腹部にはいった、良い一撃だ。
「あ"あ"ぁ"」
「アイネ、回復よろしくね」
「うん、わかった、任せて」
僕は絶対にセネルが死なないようにする、が痛みはわかるようにする。
………死ねない地獄を味わえ。
「やめ………ガハッ………きさま……ら………殺す…ころ………殺す……こ……」
殺すとか言っているようだが、痛みでちゃんと言えていない。
「殺す?やってみろよ、出来るんならなぁ」
「きっさ……まぁ………」
僕はゴブリンを二体増やした。
苦しめ……苦しめ……苦しめ苦しめ苦しめ苦しめ苦しめ苦しめ苦しめ苦しめ苦しめ苦しめ苦しめ苦しめ苦しめ苦しめ苦しめ苦しめ苦しめ苦しめ苦しめ苦しめ苦しめ苦しめ苦しめ苦しめ苦しめ苦しめ
復讐だ‼︎‼︎‼︎
二時間後………
「…………………………」
ついにセネルは何も言わなくなった、と言うか目が死んでる。
「アル、私もう疲れたんだけど」
アイネも回復魔法をかけるのに疲れてきたようだ、そろそろ良いか………
「戻れ」
僕はゴブリンを戻した。
そして、セネルに近寄る。
「セネル、生きてる?」
「……………………………」
喋らない。
「おーい」
「……………………………」
…ダメだこりゃ、やりすぎた。
うーん、どうしよう…予定ではこっからまた苦しめようと思ったんだけど……
……よし、もういいや殺そう。
「デシジョン………ギルティ」
僕は、手に持つレペンスでセネルの首を落とした。
「よし、一人目終了」
「アル、次はどうするの?」
「そうだなぁ、まずは情報集めかな、あいつらがそれぞれどこにいるかわからないしな」
「わかった」
僕はまだ知らなかった……すでに、あいつらではなくなっていたことに………
……龍次の恐ろしさに。
復讐のため異世界に転生します シマの紙 @shimanokami
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