独特な和の空気とどこかねっとりとした空気が際立っている、とまず感じました。人身御供のような嫁入りと、異形と、周囲の思惑と。寄る辺ない二人の孤独や焼けつくような願い、由姫の執念や愛情も、淡々とした展開の中で仄暗いながらも感じられて……どこか古めかしい調子の文体も、物語の雰囲気を作っていて個人的には好きです。 キャラでは、兄君がツボでした。女は怖いとぼやいているのがなんとも……。