ご自身のサイトで連載中のものをリアルタイムで読んでいました。カクヨムへの投稿にさいして時系列順に再編集されています。なっち視点の本編と番外編各種が時系列になっています。結果、話のつながりはわかりやすくなっています。一度読んでいるにもかかわらずまた違った印象を受けましたので既読の方も今一度読んでみてもいいかもしれません。
他の皆様のレビューにあるとおり、この作者さん、他のWeb小説とは文章の安定度が別物で書き慣れている印象。言葉のチョイスもなかなか。
今、読み返すとマンガ家の川原泉の作品へのオマージュが随所にちりばめられていますね。それ以外にもいろいろネタが仕込まれている気がしないでもないですが。
まず文章の運びが上手いです。言葉のチョイスも良いです。だからでしょうか、物語全体がとても良い雰囲気です。
視点を変えるというのはあまりライトノベルにはない手法ですが、私個人としては大歓迎です。やはり一人称の物語では登場人物の心情を書ききることは難しいでしょうし、読みとくのも大変です。特にヒロインの心情が直接読み取れるのは分かりやすくて良いと思います。
その心情を読みとくのも読書の醍醐味と言われればそうかもしれませんがそこはライトノベルです。分かりやすさ重視で良いでしょう。
設定としては凝ったところが有るわけではない、普通のラブコメかもしれません。
しかしその普通のラブコメが読みたくて毎日ここに通っていますがこの作品
以上のラブコメは見かけていません。
ただひとつ残念かつ心待ちにしていることがあります。それは完結していないことです。どんなに楽しい物語にも終わりはあります。
正直に申しますと、完結してほしくないです。前と言っていることが矛盾していることは分かっていますがそこはやはり割りきれません。
男の子としての魅力溢れる主人公に、ライトノベルのヒロインとしての(かつ年上感)魅力満載のヒロイン。そしてその周りを取り巻く大勢の登場人物。この物語はずっと読んでいたい気にさせてくれます。
しかし終わりがあるからこそ輝くこともあるのでその間の気持ちに揺れています。
祝!完結ということでレビューを書き直しました。
これ以上ないというぐらいに素晴らしい終わりでした。
素晴らしい作品を贈って頂いた作者様に心から感謝申し上げます。
お疲れ様でした。
本当にありがとうございました。