まず始めに、この作品を読み進めるごとに思い描くのは、折り紙である。そう、日本を代表するあの文化だ。
折り畳まれることにより、複雑で幾何学的な構造を展開していく。
現代から異世界への舞台、そして、さらに異なる世界からの干渉もある。奥行きを感じさせてくれながら、複合的な世界の重なりも読み取れる見事な世界構築をして、私は折り紙を連想した。
内容はと言えば、実に『ニチアサ』的である。
・・・・・・残念ながら、この表現は既に過去の言葉であるのかもしれないが。
魔法少女であり、戦隊であり、ライダーである。
大江りおな、という少女によって紡がれるぬいぐるみの待つ異世界への誘い。
その物語は、劇中劇として存在する絵本の中から存在を放ち、彼女によって生命の息吹を与えられる。悪意を吹き込まれた敵を倒す、それだけではない、世界再生の物語だ。
ソーイングフェンサーとしての戦闘スタイルも心憎い。
そのファンシーな様相、攻撃方法。
特筆すべきは、型紙――ステンシル――によるフォームチェンジ。
特撮ヒーローとしては、もはや当たり前になったそれである。
また、戦隊ロボを彷彿とさせるような巨大ぬいぐるみのエピソードなども挙げなければなるまい。
ニチアサ的、と称するのはまさにこの部分であり、おそらくは作者様による個性いや、特性を遺憾なく発揮されたのだろうと受け取る。
未だ完結には至っていないのが惜しむところである。
1人の読者として、願わずにはいられないものだ。この時点の最新話「59-1」まで読ませて頂き、私はここにレビューを記す。