6年3組
るさん
6年3組編
第1話 いつもの。
ここは、とある都会の町外れにある小学校。
そしてこの教室は、この6年3組の居場所。
私は6年3組の「鏡 青葉」(かがみ あおば)
今日も、「いつもの日」がはじまる______
「あ!青葉ちゃんおはよー!」
「おはよ…」
教科書を机のなかに入れ、宿題を提出した私に話しかけてきた人は「明石 円」(あかし まどか)。
私は円と一緒にいつも行動している。
でも、何故かそれが嫌になってきている。
「あ!昨日の、『ザ☆イケメンズ』見た?
本当に、『ダ・ヴィンチ』の曲はいいよねー!」
『ザ☆イケメンズ』は今このクラスで女子に流行っている、イケメンアイドルグループのライブをまとめた番組だ。
「え!?昨日の見たの?私その時間はお稽古で____」
もう一人の女子が入り、会話は中断されて、チャイムが鳴る。
「うわっ、次算数だ。じゃーね!青葉ちゃん!」
「あ、うん…」
***
今日の算数は、最近授業で進めてた、比のまとめで、教科書の問題を解き、先生に提出後、すべての問題に丸がついたあと、プリントをやる。といういつものまとめ方だ。
「____では、始めてください。」
解き方を簡単に解説したあと、先生は椅子に座り、宿題の確認をしている。
5分後。
椅子を引く音が聞こえた。
あの人______「月城 千歳」(つきしろ ちとせ)
が、問題を全て解き終わった音だ。
月城さんに続いて、男子数人も立ち上がる。
たまに、一番早く解き終わるのが男子になる時もある。
「月城、全問正解。」
こんな風に月城さんは完璧な優等生に見えるかもしれない。
でも。
月城さんはうるさいし、家庭科と体育が苦手だ。
そのため、皆が必ずしも月城さんのことを認めているわけではない。
例えば、掃除の時間に、月城さんに八つ当たりする女子など、何人も見たことがある。
でも、月城さんは、このクラスの四天王の1人…ということになっているが、別の男子になるのか、四天王のバランスの問題で月城さんのままなのかと、心の中で皆思っている。
因みに、私の成績は、真ん中ぐらいだ。
「月城はえー」
隣の席の男子がそう呟く。
***
チャイムが鳴る。
もう帰る時間だ。
「もう帰るのか…」
そう呟いた時、
「青葉ちゃん一緒に帰ろっ」
円が来た。
「うん」
私は、冷たい態度をとってしまった。
仲良くしたいのに出来ない。
こんな気持ちが帰る時、心の中にずっとあった。
第1話
おわり
※鏡 青葉の読み仮名を訂正しました。
6年3組 るさん @Biore
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