参りました。この作者さん、創造主として完全すぎます。
- ★★★ Excellent!!!
コメディのセンスが抜群なうえ、達観した思想も持ち合わせている。古典演劇にも精通している。このメリハリがゆるい作風を引き締めている。作品全体を通して隙が見当たりません。素晴らしい。しかし、もし針の先ほどの穴を探すとすれば、せっかちな読者は3話ぐらいで「ああ、こういう感じね」と早合点して先を読まないかもしれない、ということぐらいです。実際は違って、先に進むにつれて物語の裏に隠された真実が暴かれていくわけで、これこそ連作短編の妙。じっくり腰を据えて最後まで読んでいただきたい。