概要
~満月の夜だけ猫に戻る団長様が、わたしの枕元を離れてくれません~
雨の路地裏で、けがをした黒猫を拾った。
王都の下町で一人、薬草屋を営むコレットは、その猫を「クロ」と名づけて飼いはじめる。
変な猫だった。着替えのときは顔をそむけて部屋を出ていく。寝台には絶対にのぼってこない。毎晩、窓の外を見張っている。
「わたし、このまま一人で、おばあさんになるのかな」――そうつぶやいた夜だけ、はじめて枕元で丸くなった。
クロの首には、近衛騎士団の紋章の札。
その正体は、ひと月前から行方不明の近衛騎士団長ルークだった。宰相の陰謀で、呪いをかけられていたのだ。
呪いは解けた。……はずだった。
なのに団長様は、満月の夜になると、また黒猫の姿でコレットの家の窓を叩きに来る。
王宮薬師の試験、薬草のすり替え、母の遺した子守唄の秘密。
「一人でおばあさんにはさせない」と言っ
王都の下町で一人、薬草屋を営むコレットは、その猫を「クロ」と名づけて飼いはじめる。
変な猫だった。着替えのときは顔をそむけて部屋を出ていく。寝台には絶対にのぼってこない。毎晩、窓の外を見張っている。
「わたし、このまま一人で、おばあさんになるのかな」――そうつぶやいた夜だけ、はじめて枕元で丸くなった。
クロの首には、近衛騎士団の紋章の札。
その正体は、ひと月前から行方不明の近衛騎士団長ルークだった。宰相の陰謀で、呪いをかけられていたのだ。
呪いは解けた。……はずだった。
なのに団長様は、満月の夜になると、また黒猫の姿でコレットの家の窓を叩きに来る。
王宮薬師の試験、薬草のすり替え、母の遺した子守唄の秘密。
「一人でおばあさんにはさせない」と言っ
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