概要
わずかな時の隔たりが、二人の皇子の運命を分けた。
父が、あとわずかに長く生きていたなら。
あるいは、御子がもう少し早く生まれていたなら。
その運命は、まったく違うものになっていたのかもしれない。
長く病に伏していた高瀬帝(たかせのみかど)が崩御し、皇位は弟の嵯峨野宮(さがののみや)へと移った。その直後、亡き帝の中宮・春日野(かすがの)は、一人の男の御子を産み落とす。
有明(ありあけ)。
父が最期に遺した、夜明けの空に残る月の名であった。
新たな帝の皇子・千歳(ちとせ)と、先帝の遺児・有明。
二人は幼い頃から親しく育つ。けれど、皇位を継ぐ者と継がぬ者。それぞれに向けられる人々の眼差しは、少しずつ異なっていった。
誰もが、大切なものを守ろうとしていた。
家族への愛情も、胸に秘めた願いも、ときには誰かの運命を変えてしまう。
やが
あるいは、御子がもう少し早く生まれていたなら。
その運命は、まったく違うものになっていたのかもしれない。
長く病に伏していた高瀬帝(たかせのみかど)が崩御し、皇位は弟の嵯峨野宮(さがののみや)へと移った。その直後、亡き帝の中宮・春日野(かすがの)は、一人の男の御子を産み落とす。
有明(ありあけ)。
父が最期に遺した、夜明けの空に残る月の名であった。
新たな帝の皇子・千歳(ちとせ)と、先帝の遺児・有明。
二人は幼い頃から親しく育つ。けれど、皇位を継ぐ者と継がぬ者。それぞれに向けられる人々の眼差しは、少しずつ異なっていった。
誰もが、大切なものを守ろうとしていた。
家族への愛情も、胸に秘めた願いも、ときには誰かの運命を変えてしまう。
やが
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