概要
同じ列車を、同じ気持ちで撮っていると思っていた。
車窓も駅弁も、知らない町を歩くのも好きな会社員・旅野。職場で見つけた鉄道仲間・武尊原は、写真の話が通じる、うれしい相手だった。
二人が訪れたのは、希少車両の復活運転を準備する地方私鉄・瀬川鉄道。ところが撮影が始まると、武尊原は住民に食ってかかり、列車に手を振る子どもにまで怒鳴りつける。
「写るだろ。どけって」
旅野が沿線の食堂で新しい撮影の約束を交わす一方、武尊原は誰よりも先に撮る一枚を求めていく。
好きなものを撮る。その喜びは、どこで他人の暮らしを踏み越えるのか。
写真を分かち合う親しさと、失った後にも消えない欲望を描く、全九話の心理小説。
二人が訪れたのは、希少車両の復活運転を準備する地方私鉄・瀬川鉄道。ところが撮影が始まると、武尊原は住民に食ってかかり、列車に手を振る子どもにまで怒鳴りつける。
「写るだろ。どけって」
旅野が沿線の食堂で新しい撮影の約束を交わす一方、武尊原は誰よりも先に撮る一枚を求めていく。
好きなものを撮る。その喜びは、どこで他人の暮らしを踏み越えるのか。
写真を分かち合う親しさと、失った後にも消えない欲望を描く、全九話の心理小説。
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