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概要
十年目に届いた一通の手紙が、幸せだった結婚の始まりを揺らしていく。
※本作品は時間が逆行する話ではなく夫婦が思い出の場所をたどる現代の物語です。
結婚十年目の記念日まであと一週間という夜、美穂のもとに、学生時代の恩師から一通の手紙が届いた。
〈あなたは、不採用ではありませんでした〉
恩師の記憶では、美穂は採用され、そのあと辞退したことになっていた。けれど辞退の連絡をした覚えは、どこにもない。
十年前の春、美穂は遠い町にある絵の工房の研修生選考を受けた。採用の通知は届かず、落ちたのだと思った。
その一週間ほどあとに、恋人の直人から結婚を申し込まれた。
結婚記念日までの七日間、美穂は夫と二人で、結婚の思い出を逆にたどることにする。食事会、指輪、婚姻届、両家の顔合わせ、そしてプロポーズの夜へ。
思い出を一つ手に取るたびに、十年分のやさしさが、違う形に見
結婚十年目の記念日まであと一週間という夜、美穂のもとに、学生時代の恩師から一通の手紙が届いた。
〈あなたは、不採用ではありませんでした〉
恩師の記憶では、美穂は採用され、そのあと辞退したことになっていた。けれど辞退の連絡をした覚えは、どこにもない。
十年前の春、美穂は遠い町にある絵の工房の研修生選考を受けた。採用の通知は届かず、落ちたのだと思った。
その一週間ほどあとに、恋人の直人から結婚を申し込まれた。
結婚記念日までの七日間、美穂は夫と二人で、結婚の思い出を逆にたどることにする。食事会、指輪、婚姻届、両家の顔合わせ、そしてプロポーズの夜へ。
思い出を一つ手に取るたびに、十年分のやさしさが、違う形に見
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