概要
洗っても、荒れても、あなたのための手でした。
「お前の手元さ、……もう、地味で、バズらないんだよな」
三年間、彼の料理動画で顔を出さず、手元だけを映しながら、レシピと料理を担当してきた私は、人気者になった彼氏にそう言われて捨てられた。
彼が新しく組む相手は、既婚の顔出し料理系インフルエンサー。
だけど、彼は知らない。
大手食品メーカーとのタイアップ契約で、料理の制作者として名前が登録されているのは、彼ではなく私だということを。
そして、私の荒れた手を見て、「毎日、手を洗う仕事をしている人の手ですね」と気づいてくれた人がいる。
新商品の発表会を前に、彼はまだ笑っている。
私が三年間、誰にも見せずに書き続けてきたレシピと、彼が一度も読まなかった契約書。その二つが揃ったとき、『手元の人』だった私の立場は、静かに変わり始める。
彼の「ふたりごは
三年間、彼の料理動画で顔を出さず、手元だけを映しながら、レシピと料理を担当してきた私は、人気者になった彼氏にそう言われて捨てられた。
彼が新しく組む相手は、既婚の顔出し料理系インフルエンサー。
だけど、彼は知らない。
大手食品メーカーとのタイアップ契約で、料理の制作者として名前が登録されているのは、彼ではなく私だということを。
そして、私の荒れた手を見て、「毎日、手を洗う仕事をしている人の手ですね」と気づいてくれた人がいる。
新商品の発表会を前に、彼はまだ笑っている。
私が三年間、誰にも見せずに書き続けてきたレシピと、彼が一度も読まなかった契約書。その二つが揃ったとき、『手元の人』だった私の立場は、静かに変わり始める。
彼の「ふたりごは
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