概要
あなたのために縫うのは、もうやめました。
四年の婚約を一方的に解消した商会主ベルンハルトは、仕立て師セシリアに次の婚約者の衣装を頼んだ。断って仕事を辞めたセシリアには、母の形見の指ぬきと、借りたばかりの小さな仕事場しかない。そこへ、手を動かして働きたい女性たちが訪れ、今度の婚約者イルゼまでもが「歩ける服」を望んでいると知る。自分の人生を他人の望みどおりに縫ってきたセシリアは、はじめて自分のためのドレスを作り始める。春織祭の日、人前で誰を見せ、誰の声を消すのか――それぞれが自分の意思で答えを出す、恋と仕事の物語。
【千夜一夜短編集・第5夜】
さまざまな世界・ジャンルを描く独立短編シリーズです。前作を読んでいなくても、この作品だけでお楽しみいただけます。
【千夜一夜短編集・第5夜】
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